不偏分散の期待値について
偏差平方和を標本の大きさで割って得られる標本分散、および、偏差平方和を自由度で割ることにより得られる不偏分散について、次のように定められる。
不偏分散は母分散の不偏推定量であり、その期待値は母分散に等しい。本記事では、この事実を計算により確認する。
まずは、標本分散の期待値を確認する。
ここで
したがって
ゆえに、標本分散の期待値は、母分散には一致せず、母分散を倍したものとなる。
次に、ここまでの計算結果を利用して、不偏分散の期待値を確認する。
上記で得られた
の両辺にを掛けると
より
となる。ここで
これは、不偏分散にほかならない。
すなわち
であり、不偏分散の期待値は母分散に等しい。
【参考文献】
回帰分析入門、豊田秀樹 編、東京図書、2012